アジアン美容クリニックのHPを見ていただいた皆様へ、自己紹介とご挨拶。
アジアン美容クリニック 院長の鄭 憲です。皆さんに簡単な自己紹介とご挨拶をさせていただきます。
私は、日本で生まれた韓国人です。
医師を志してからは、韓国、日本で学び、両国の医師免許を取得、形成外科の専門医として勤務後、今は上野不忍池横、湯島天神の近くで美容外科クリニックを営んでいます。
美容外科、美容整形の医者というと皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか?
大学での講義時間に医学生に同様の質問を投げかけると、「お金持ち」「治療というよりサービス業」「患者さんとのトラブル、訴訟が多い」といった答えが多く返ってきます。
個人的に言わせてもらえば、残念ながら金持ちでもないのですが、トラブルも特にありません。
また患者さんが目指す目的が異なること除けば、内科や産婦人科、外科等となんら変わりのない医療の一分野であると思っています。
美容外科、美容医療をいい意味、悪い意味、特別なもといった捉え方をされる原因には、まさに医療としてより商業的な利益のみ追求する一部の医療人、面白おかしく誇張して取り上げるメディア、そして情報を確認せずに信じ伝播する風潮にあると考えます。
しかし、これは美容外科に限ったことではなく最近ぎくしゃくしている日韓関係にも言えることかもしれません。
SMAPやAKB48のメンバーが典型的な日本人姿、性格を持っているのではないように、皆さんが韓流ドラマや映画、舞台、コンサートなどで観て、聞いて、感じた人々や社会はある意味エンターテイメントの世界のものです。
しかし、そこには、実際に韓国で生活し暮らしている人々の価値観や文化が凝縮されているのも事実です。
一方、政治的なニュースの中で語られる韓国人や社会が必ずしも本当の現実を反映しているとは限りません。
地理的にも外見的にも文化的にも近くて近い、だからむしろ気になる両国をより理解してもらうために、美容医療の窓から形成外科、美容外科、美容皮膚科のみならず日韓の文化や相違点を紹介していきたいと思います。
アジアン美容クリニック院長
帝京大学附属病院形成外科
美容外科非常勤講師
鄭 憲
初診料なしはお得なのか 美容外科や形成外科での初診料について皆さんはどのように考えますか?
美容外科や形成外科での初診料について皆さんはどのように考えますか?
当院は、初診料1,500円いただいています。
この費用が安いのか高いのかという判断は、患者さんがするものではあります。
ただ患者さんの中には美容外科、形成外科は初診料無料のところがあるのになぜ費用がかかるのかと考える人もいるでしょう。
勿論、費用は安い方が良い、無料ならなお有難いと思うのは当然かもしれません。
また、クリニックによっては、患者さんにたいするサービスの一つだと考えているところもあるでしょう。
私が幾らかでも初診料をいただくことにしたのは、理由があります。
常々大学の講義や一般向けの講演などでもお話しすることですが、美容外科は、他の医療 例えば内科、小児科、整形外科、皮膚科…と変わらない医療の一科目であると考えています。
それは、最初にいきなり治療ありきではなく、カウンセリングと診察をしたうえでの診断が重要であるという意味です。
ネットやテレビ、雑誌などの広告で流行っている○○レーザーを受けたい、○○リフト、○○注射を受けたいと言って来院する人は時々います。
しかし、広告上の宣伝では知っていても、本当にその治療がどのようなものか、効果はどうなのか、そしてその人に合っているのかは正直分っていないかも知れません。
また、目、鼻、胸の整形、しわやシミの治療を希望されたとしても、患者さん自身の現在の状態がどのようなのか、実際にはどこまで可能なのか、副作用などはないのか、本当にその治療が必要なのか等、診察して患者さんの状態や希望を総合的に判断して一緒に考えなければなりません。
カウンセリングの結果、その治療は必要ないとこちらが診断することも、また患者さんも一度考えてみると判断することも時々あります。
それは、結果的には何もしない事かもしれませんが、私は必要ではないことをしない事は、よくわからないまま治療を受けることより大切だと考えますし、カウンセリングによる診断がも大事な美容外科の治療だと信じています。
化粧品コーナーやエステの購入前診断とはやはり異なるものであると思うのです。
最初のカウンセリングに時間がかかり他の患者さんを待たせてしまうことは申し訳ないですが、やはりこのやり方は変えられません。
洗顔と乾燥肌、敏感肌について。
形成外科というと、傷をきれいにする手術、火傷の時の皮膚移植、程度しか認識がない方も多いと思います。
大学で医学生相手に、講義をすると、彼らでさえ、形成外科の仕事に関してあまりよくわかってないと感じます。
形成外科は、「疾病や外傷、手術によって外見、機能が正常な状態でなくなった部位を、できるだけ正常な状態に近づける」治療をする科です。
そして、美容外科は、形成外科の1専門であると考えますが、こちらは「正常な状態ではあるが、主観的、客観的に より望ましい状態にする」科といえるでしょう。
形成外科は正式な専門科として承認されており、今では大学病院でも標榜科の一つとして存在しているところもあります。
一方、"美容皮膚科"という科は正式には存在しないため、皮膚を美しくする、美肌をつくるという医療は、少し曖昧な部分もあります。
美容外科、形成外科医として医療に関わってきながら、美肌というものに関して実際に感じ、私が治療するにあたって指導している事柄についてお話します。
シミや毛穴、赤ら顔、ニキビ、ニキビ跡などで相談に見えた方を診察するとき、まず 自分の肌に関してのイメージや状態に関して話を伺うと、多くの人が肌の乾燥を感じており、いわゆる敏感肌であると言います。
実際 女性の肌に関するアンケートでも、自分の肌が敏感で、乾燥気味であると答える女性の割合が70パーセント近くにもなるようです。
また、他の化粧品会社によるアンケートでも、「自分は敏感肌である。」と答える人の割合は、おおむね半数近くになるようです。
そもそも敏感肌という言葉には、正確な医学的定義がありませんが、肌がひりひりしやすい、すぐ赤くなる、つっぱり易い、かさかさ乾燥しているなどの感覚的な部分かも知れません。
それにしても このように多くの女性たちが、肌が乾燥し、つっぱり易いとはどういうことでしょうか?
日本のような湿度の比較的高い環境で、且つ肌のケアーに熱心であると考えられる女性においてです。
一方、男性では、肌が乾燥する、つっぱると言う人はあまり多くありません。
皮膚には多くの働きはありますが、最も大切な役割は、外界の様々な刺激から体を守るバリアー機能と、体内の水分やその他成分を外に逃がさないようにしる保湿、保持機能です。乾燥肌とは、皮膚の角質層水分量が減少して、肌ががさついた状態になることですが、この原因として、皮膚の保湿能力の低下があります。
皮膚の保湿能は、皮脂膜、セラミドなどの角質細胞間物質、天然保湿因子(NMF)によって決まります。
これらが失われたり、減少すると、肌の水分は減少し、また 外界の様々な刺激に対してのバリアー機能が衰え、いわゆる乾燥肌、敏感肌になります。
アトピー性皮膚炎の方や、アトピー体質、正常な皮膚の保湿能力が維持できない皮膚の病的な原因がある場合を除いては、人間の肌は簡単には乾燥することはありません。
逆にいえば、人間の肌は、他の動物に比べても非常に高い調節能力を持っていると言ってもよいでしょう。
それにも拘らず、特に肌のケアーを一所懸命している女性に肌の乾燥やつっぱり感が強いのは、当たり前に多くの女性がやってきた肌のケアー、特に洗顔法に問題があるかも知れません。
「寝る前の洗顔で特に注意していることは?」と尋ねると、大部分の女性が、「化粧が毛穴に残らないようにきれいに落とすこと」と答えます。
その結果、洗顔クリーム、クレンジングフォーム、クレンジングクリームなどで皮脂に溶け込んだ化粧成分を浮きだたせ、さらに洗顔剤でダブルクレンジングなどと、一生懸命洗い落とそうと考えます。
しかし、その結果 合成界面活性剤の影響で、皮脂自体が溶かし落とされ、前に触れたような乾燥肌をつくってしまい、その上 バリア機能の低下で敏感肌にもなるとも言えます。
そして 実は皮膚の表面を乾燥させることで、かえって脂腺が刺激され毛穴の周囲は脂がたまり、むしろ毛穴が詰まり易い状態になる可能性もあります。
化粧を落とすなとは言いませんが、化粧が残ることを必要以上に、怖がるあまり、もっと大切な皮脂膜を傷つけ、肌のバリア機能を壊しているかも知れません。
私が勧めている洗顔法は、化粧も含めて 石鹸で泡立ててこすらずにゆっくり洗い、水、ぬるま湯で十分に流してもらうということです。
石鹸で化粧品が落ちるのかと心配される人も多いかもしれませんが、意外と綺麗に洗浄できます。
ただ、口紅やアイラインなどは、確かに落ちにくいと感じることでしょう。
しかし、お皿についた油が、食器洗い機ならすぐツルツルすると事と同じで、合成界面活性剤なら油が落ちやすいのは確かです。
しかし 肌はお皿ではありませんから、ただ脂が落ちればよいのではないのです。
もうひとつは、化粧品は、肌の皮脂膜に溶け込み表面に付いているだけの状態ですから、毛穴の奥の奥まで入って、毛穴をふさぐことはあまり考えにくいですし、表皮はターンオーバーを繰り返していますから、バリア機能が働いている健康な肌なら 自然に角質と共に剥がれ落ちて行きます。
洗顔後はすぐに、化粧水、クリームを塗らず30分でも待ってみると、意外とつっぱり感も消えていくこともあります。
強いマッサージや 刺激になることは控えて 少し待ってみてもよいと思います。
その後、乾燥を感じる部分があれば、少量化粧水や保湿クリームをすり込まず、塗布してください。
朝は 石鹸もむしろ使わず、水だけの洗顔でもよいと考えています。
最初は不安に感じる方も、ひと月程で、つっぱり感や、肌の明るさを感じ、乾燥感も少なくなったと言う方が多いのは事実です。
自分の肌が、自分の役割を十分にできる環境をつくるほうが、実は あれこれ補うよりも大切かも知れないのです。
化粧品でできること、できないこと。美容医療でできること、できないこと。
綺麗な透明感とハリのある肌は多くの女性そして、最近では美容に関心のある男性も憧れるものでしょう。
その為に、様々な美容情報を熱心に読み、美白やしわ、毛穴の改善に優れた効果があると謳った化粧品や美肌ケアー商品を試してみたと思います。
また、テレビや女性誌で紹介された肌の手入れ法を熱心に実践している方も多いのではないでしょうか。
勿論、何らかの効果を感じて満足している方もいるでしょうが、大部分の人は期待したほどではないけれど、何となく悪くはないといった程度で納得するのが実際のような気がします。
化粧品やエステ商品が謳う、肌が白くなる、毛穴が小さくなる、しわが目立たなくるという効果は実際に可能なのでしょうか。
また、本来の美容医療ではどこまでできるのでしょうか?
化粧は長い歴史を持つ大切な文化です。
特に現代女性にとっては自分を表現する重要な手段であるとともに、最低限のエチケットともいえます。
化粧をすることで、肌を明るく見せ、顔の立体感や輪郭を際立たせます。
それによって自分の気持ちにスウィッチを入れる役割もしているでしょう。
そして大部分の女性が(最近は一部の男性も)外に出るときは、誰かと会うときは必ず何らかのメイクを施します。
朝から夜遅くまでほぼ一日中肌に直接つけて過ごす化粧品。
それだけに最も求められるのは安全性です。当然ですが、肌質は個人差があり、人によってはある成分があうあわないといった差があり得るわけですが、化粧品の場合ある特定の人しか使えないでは意味がありません。
つまり、誰でもいつでも時間の制限なく使用できるものでなくてはならないわけです。
一方、シミが薄くなる、しわが目立たなくなる、毛穴が収縮するといった効果は、医学的にも簡単な変化ではありません。
メラニン粒子の分解、排出やメラニン細胞に対する抑制、コラーゲン繊維の再構成の誘導や活性などが生体反応として進まなければ、そのような効果は期待できません。
つまり皮膚科学的な薬効が皮膚に浸透して作用しなければはっきりとした変化は難しいといえます。
しかし残念ながら効果と安全性、副作用の可能性は相反するものなのです。
言い換えれば、効果のあるものは必ず副作用が起こり得ます。これは誰でもいつでも制限なく使用できるという化粧品の大原則には適しないものです。
時代の流れの中で「アンチエイジング商品」「機能性化粧品」「ドクターズコスメ」といった期待と、化粧品の安全性は両立が難しく、何となく悪くはないといったレベルを超えることは難しいようです。
化粧品の本質、安全性をしっかり理解することは毎日の肌の手入れ法に大きく関係する問題です。
前回①で化粧品に求められる安全性とそれゆえの機能性の限界につて書きましたが、私は決して化粧品の意味や重要性を否定するわけではありません。
時代のニーズの中で本質以上に期待された機能についての考え方を述べたものです。
誰でも安心して使用でき、それによって肌や顔を美しく見せる化粧品の意味は非常に大きいものです。
しかし肌は本来何かを吸収する場所ではなく、表皮の上に形成される皮脂膜と角質層によるバリアゾーンによって外部の者から守っている役割を主としています。
つまり、コラーゲンやその他の栄養成分を吸収できる場所ではなく、水のような小さな分子でさえバリアゾーンを通過して中に入れないように保護している場所だということです。
この視点から考えると健康な肌=きれいな肌は、自分のバリアゾーンがしっかり形成され、その下の表皮、真皮層が守られることで、正常な活性が行われる状態といえます。
このように化粧品の本質、安全性をしっかり理解することは毎日の肌の手入れ法に大きく関係する問題です。
私が洗顔法に関して、以前書いた中で強調しているように、一日中肌につけている化粧品は、基本的にはバリアゾーンである皮脂層、角質層の一部に溶け込んでいるだけですから、夜になっていきなり慌てて落とさなければ大変なことになると思い過ぎないでほしいのです。
逆に界面活性剤などの作用で皮脂に溶け込み落ちにくく作られた最近の化粧品を完全に落とそうとクレンジング、時にはダブルクレンジング、洗顔剤と熱心にすればするほど、本来 もっとも大切な皮脂層、バリア層を自ら壊していることにもなりかねません。
繰り返しますが、信頼できる会社の化粧品は、どんな肌にも安全に作られていますので、そもそも100%落とさな変えれば寝られないことはありません。
もし肌に悪いのであれば、朝から夜まで紫外線の中でも使用し続けている間にすでに肌に悪いことになってしまいます。
化粧品も含めて軽く石鹸で泡立てこすらずに水で良く流す程度の洗顔をしてみていただくことが、むしろ 程よく汚れを落としつつ、皮脂やバリアゾーンをいじする近道です。
ほとんどの男性が一生化粧水も栄養クリームも使わずとも顔が乾燥も突っ張りもしないのはまさに 自分のバリア層が維持されているからです。
美容医療でできること、できないこと。
前①、②で化粧品の本質、本来の意味やそれを踏まえての洗顔法について書きましたが、それでは化粧品や一般的な美肌ケアーでは難しいシミやしわ、など生理的な効果に対して美容医療はどこまでできるのでしょうか?
医療である以上、実際の効果、変化を目標に行うことはいうまでもありません。
様々なレーザー機器、高周波や超音波治療器、そして医学的な美白剤や皮膚の代謝やターンオーバーを誘導するクリーム、さらには注射。
それらは皮膚にある意味積極的に反応を起こさせることで変化を誘導していきます。
反面、以前述べてように効果があるものには、必ず副作用の可能性もあり得ます。
その為 医師が一人一人の皮膚質や特徴を見極めて、治療の選択、調節を毎回する必要があります。
いくら最新といわれる機械を用いても、魔法のように肌を変えることはできません。
多くの手術に関わってきた美容外科医として、また満足して、喜んでもらえた時の充実感からも腕のみせどころと思い、積極的に取り組んでいます。
残念ながら美容整形の手術を受けた方たちが、100%満足しているとは言えないでしょう。 手術前との微妙なイメージの相違・心境の変化などによる違和感・手術を受けたこと自体に対する罪悪感なども作用することもあり、術前のカウンセリングの大切さ・イメージを伝え、受け取ることの難しさを改めて感じ、反省する瞬間です。
しかし、他の施設やクリニックで明らかに疑問に思う手術法の適用・技術的な未熟さによって、不自然な結果にされた患者さんの相談を受けた時、美容に携わるものとして、憤りを感じるととも美容医療に関わる一人として残念で仕方ありません。それだけに何とか感じている苦痛を取り除いてあげられればと思います。
経験不足からくる、目の切開法の不自然な二重・曲がった鼻・汚い美容手術の傷跡、長く持つことを謳った異物混入のシワ取り注射、乱暴な脂肪吸引による皮膚の凸凹など、きれいになりたい一心で勇気を持って決断し受けた手術がそのような結果では、どれだけのダメージでしょう。
再手術・修正の手術は、勿論最初の手術に比べて、困難であるケースが多いのも事実です。
それだけに多くの手術に関わってきた美容外科医として、少しでも改善し喜んでもらいたい気持から自分の経験、技術を最大限用いて積極的に取り組んでいます。この場合、まずは正確に状態を診断し患者さんにもわかりやすく説明し理解してもらうことから始まります。そのうえで手術で改善できる部分、その他の治療機器や薬剤で治療すべき部分、そしてどのくらいの時間が必要でどこまでできるのかを示し、一緒に治療していくことが大切だと考えます。
新しい医療分野としての美容整形。
なぜ多くの女性たち(最近は男性も…)が美容整形をするのでしょう?
勿論言うまでもなく今より美しくなりたいからですが、長く専門医として診療をしてくると、何パーセントの方々に、多くの美容外科を渡り歩き、手術を繰り返しながら、本来美しくなるという目的から逆に離れていっているのではというケースに出会うことがあります。
その度に、最初にどれだけのカウンセリングが行われ、その元に本当に必要な治療が、確かな技術の元に施行されたかを考えずにはいられません。
私が、美容外科のカウンセリングで最も大切に考えているものは、安全性とバランスです。
医者行うものだから安全性など当然であると考えるでしょうが、残念ながら商業性を優先して、基本的なその点をおろそかにしているところが多くあるのが現実です。
美容整形は、生まれつきのあざや、醜い傷跡を目立たなくする治療は別として、健康な方がより質的に(美的に)更に上の状態を目指して行うものですから、当然安全性が他の医療以上に優先されなければなりません。
健康は最も基本的な美しさの条件なのです。
何年も持つと謳ったシワ取り注射や、異物を額や頬に注入したり挿入したりする治療は、その点の安全性に対する説明が曖昧であることが多いようです。
また、痩せる薬、注射やにきびができなくなる薬など現実にはまだどんな先進医療でも実用化されていないものに対して、安易に宣伝し患者さんに勧めているものがあるようです。
効果がなければ費用は惜しいだけで済みますが、実際にそのような薬、注射で効果?が出たならばむしろ恐ろしい副作用の結果であるかもしれません。
もう一つ、特に手術治療で重要なものは、その方本来の美しさを最大限際立たせるデザインだと考えます。
誰にでもその方その方の特徴、個性があります。
コンプレックスと感じている部分も少し整えてあげるだけで、むしろその方の魅力になりえるものなのです。
目の専門、鼻の専門、バスト、脂肪の専門等、何かを専門にしたほうが慣れて優れた結果を出せると、医者も患者さんも考え易いでしょう。
それが間違っているとは思いませんが、あまりに細かい形の整形にこだわり過ぎて過剰な手術が加えられ、バランスを崩してしまうケースも多く見られるのです。
私が総合的治療にこだわるは、人の美しさは部分部分より全体のなかでのバランスがより重要であると考えるからです。
鏡で自分の顔を見るときは、気になる鼻、目、唇の一部だけを近づけて見てしまいがちですが、その人の美しさは1メートルぐらい離れてみたときのバランスで決まると言っても過言ではありません。
女優さんの中には、目、鼻、口のそれぞれはきれいといえないのに全体的には非常に魅力的な方は多くいる反面、一つ一つは特に欠点がないにもかかわらずあまり魅力的と感じられない人もいるのです。
不必要に形を変えるのではなく、その方の個性を見抜き、最も効果的な治療を提案することが、本当の専門医の役割と考えます。
安全性とバランス、その両方を大切にすれば、「より美人になる整形」は、難しいことではないと断言できます。
美容医学に携わる一人として、なるべく正確でわかりやすい情報を紹介していきたいと思います。
なぜ多くの女性たち(最近は男性も…)が美容整形に関心を抱くのでしょう?
勿論誰もがより美しく、若々しくなりたいからですが、長く専門医として診療をしてくると、何パーセントの方々に、多くの美容外科を渡り歩き、手術を繰り返しながら、むしろ本来美しくなるという目的から離れていっているのではと感じるケースに出会うこともあります。
その度に、最初にどれだけのカウンセリングが行われ、その結果本当に必要な治療が、正確な技術の元に施行されたかを考えずにはいられません。
私が、美容外科のカウンセリングで最も大切に考えているものは、診断学です。
一般的には美容外科は患者自らが診断し、望むものをおこなえば良いものだと考える人が多いでしょうし、美容治療に携わっている側もそのような認識を持っているかも知れません。
しかし、医療である以上、どんな治療でありリスクは伴いますし、何より自分のことを客観的にみることは以外と難しいのです。
幾ら本人が希望しても場合によっては必要ないという診断も大切です。
どうしても人間は気にしている部位は必要以上に拡大して解釈しますが、全体のバランスをもって見ることはなかなかできません。
さらに、医学的な知識や根拠に関しては、イメージや簡単な広告内の説明以上にはわからないものが多いでしょう。
例えば最新のレーザーという表現が書かれていても、実際レーザー自体が何であるか、そこでうたっている最新の意味や治療の原理、効果、副作用、限界までは判断しようがありません。
病気でやむなく手術や治療を受けるときに、日本で初めておこなう治療や薬であるとか、この病院だけにある機械であると聞けばむしろ不安に感じるのではないでしょうか?
しかし、美容医療の世界では、本邦初とか最新機器、この病院だけの技術などがよく伝えられます。
病気の治療でないから、大丈夫なのでしょうか?病院だから安全性など当然であると考えるでしょうか?残念ながら商業性を優先して、基本的なその点をおろそかにしている面も少なからずあるのが現実です。
美容外科も内科、外科や小児科、産婦人科などと同じ医療の一分野であり、治療対象が異なるだけで全く同じ医学なのです。
日本では美容整形という言葉が一般的かも知れませんが、正式な標榜科としては美容外科といいます。
私は形成外科の専門医ですが、美容外科は形成外科のサブスペシャリティーと考えられるでしょう。
形成外科の仕事は、病気やけが、あるいは先天的な原因で失ったもの、壊れたもの、正常でなくなった部位に対して、機能的にも外見上も正常な状態に近づける再建医学です。
一方美容外科は、醜い傷跡を目立たなくする治療は別として、健康な方がより質的に(美的に)更に上の状態を目指して行う医療分野です。
しかし、乳がんの患者さんの乳房再建術の中には保険が認められず美容外科扱いになるものがあるように、実際はその境界線も曖昧なものも多くあります。
それゆえ、質の医療としてあくまで同様の医療、形成外科の一分野としてしっかり認識される必要があります。
さらに、基本的に健康な人を扱う医学である以上、むしろ医療以上に安全性が優先されなければなりません。
健康は最も基本的な美しさの条件なのです。
何年ももつと謳ったシワ取り注射や、異物を額や頬に注入したり挿入したりする治療は、その点の安全性や効果の根拠に対する説明が曖昧であることが多いようです。
また、簡単に「痩せる」「にきびができなくなる」「ニキビ跡が消える」「バストが豊かになる」「毛が生える」「肌が白くなる」「傷あとが無くなる」テープ、クリーム、薬、注射やレーザーなど現実にはまだどんな再生医療でも実用化されていないものに対して、安易に宣伝し患者さんに勧めているものがあるようです。
効果がなければ費用は惜しいだけで済みますが、実際にそのような薬、注射で効果(変化?)が出たならばむしろ副作用の結果であるかもしれません。
しかし、反面 逆の意味で美容治療に対する偏見もあります。
一部の施設、医師がいい加減な準備や未熟な技術によって起こした失敗をもって、その治療自体が安全でない間違ったものであると判断されるものです。
商業目的のみの過大で不正確な宣伝があるのも事実ですが、興味本位で美容外科全体を色眼鏡でみる一部の報道にも問題はあります。
一方的な宣伝、うわさ、イメージ中心の情報ではなく、医学的にも正確な知識や情報を私たちが発信していく努力が大切だと考えます。
私は美容医学に携わる一人として、なるべく正確でわかりやすい情報を紹介していきたいと思います。
美肌に関するコンセプトは、自分の持っている健康な状態に肌を取り戻すことが最善で最短の肌治療であるということ。
様々な化粧品、エステ、肌に良いとされるサプリメント…女性の肌に対する思いは、肌を美しくすると銘打ったサービスの多さを見ても切実で永遠のものなのでしょう。
しかし実際に試してみて本当に効果があったと満足できたものは、どのくらいあったでしょうか?
何もしないと不安だから、また宣伝でよく見るから、有名なブランドだからなど、実際の効果よりイメージで使っていることが多くないですか?
私のクリニックにも美容外科の相談と同じぐらい皮膚のトラブルの相談で見える方が多く訪れます。 皆さん悩みは、シミ、ニキビ、ニキビ跡、赤ら顔、小じわ、肌のハリ、毛穴の開きと様々です。
当然肌への思いは人一倍強く、いろいろ試された方がほとんどです。
そこで、私はその方の基本的なスキンケアーの仕方から尋ねて見ます。
すると肌に良いと考えて一生懸命してきたことが、肌を痛めていたり、症状を悪化させていたりすることが意外と多いことに驚かされます。
最新、画期的などと謳ったスキンケアー、コスメ商品、美肌治療器は医学的な根拠がなく、肌にダメージを与えるものも多いということでしょう。
私の美肌に関するコンセプトは、自分の持っている健康な状態に肌を取り戻すことが最善で最短の肌治療であるということです。
肌を白くするといっても黒人の皮膚が白人の肌にならないように本来の体質は変えられません。
しかし、トラブルがなかった頃の肌や数年前の若かった肌には、正しい治療によってある程度は戻せるのです。
それは自分の肌の活性力や再生力を回復させること、肌自体が良くなっていくのを助けてあげることです。
逆に言えば、無理やり皮膚を剥がしたり、強いレーザーで焼いたり、何かを塗り込んだりしても自分の皮膚自体が改善しなければ無意味です。
そして魔法や夢物語でなく医学的に根拠のある治療を進めていけば健康的な美肌を得ることは可能です。
例えば、美容レーザーといってもでは、その機種、もっと正確にはレーザーが持つ波長の種類や機能によって当然用途は異なります。また、シミと一言でいっても、その性状は一人一人皆、原因や肌質が違うわけですから同じ治療、同じ機械で対応できるものではありません。当院ならば第二世代IPL(I2PL)、ジェネシスレーザー、レーザートーニング、QスイッチYAGレーザーなど使い分けています。またレーザー治療に抵抗性の高いシミには医療用の内服薬や塗り薬、生活指導などで対応していきます。
その他、毛穴、皮膚の張り、ニキビ跡、乾燥などその目的に合った治療機器も選別し患者さんのニーズや都合に合わせて最も適した治療を選択していきます。
美容目的に開発されたレーザーやピーリング機能を持つ治療機器は従来、白人を基準に開発されたものが多いと考えます。ゆえに同様な設定治療した場合は、当然メラニン量が多く、肌質のことなる東洋人には負担やダメージが考慮されるものです。東洋人の肌に合わせた、且つ急激な変化を期待するのではない治療、つまり自分自身の肌の機能を向上させることこそ、治療終了後も効果は続いていくのです。
また、レーザーだけでなく、よく洗うことばかり強調した化粧落としや洗顔法に始まり、内面からの体質改善として細胞の再生に必要な有効成分を豊富に含むプラセンタ注射や点滴、メラニンを抑える内服薬、自宅でのケアとして皮膚の新陳代謝を促進する成分であるトレチノインを含有する当院独自の処方によるクリームなどを併用することで、美肌をオーダーメイドすることが可能になります。
そして、これからもアジアン美容クリニックの考える「東洋人に最適な美肌治療」それを必要とする人たちに対する「質の医療」をご提案していきますので、お気軽にご相談ください。
目指すのは化粧などで隠す必要のない健康で張りと透明感のある肌であり、それが医学的な美肌だと考えます。
当院には非常に多くの方が皮膚治療で通っています。
その中には、私が形成外科医ではなく皮膚科医であると思っていたという人もいます。
こちらでは手術もするのですか?と聞かれると、形成外科専門医の私としては、少し複雑な気持ちになることもあります。
私が皮膚治療にそれだけ力を入れている訳は、幾ら手術をして輪郭やかたちが良くなっても、皮膚が荒れていたり、くすみ、シミなどが目立つとその美しさが半減してしまうからです。
そしてもう一つ、目の周りなど特に皮膚の薄い部分の細かいシワなどは、手術でも改善が難しいのです。
なぜなら、皮膚の薄い部分の細かいシワは、結局直接皮膚の弾力性の衰えからくるため、幾ら手術的に持ち上げても、皮膚自体が変わらない限りなくならないからです。
美しさはトータル的なものであるため、手術、注射などの動的な治療と、レーザー、IPL、水光注射、高周波治療など静的な皮膚治療は、どちらも欠かせないもので、相互作用を期待できるのです。
ではそんな美容、形成外科医の私から考える本来の美肌治療とは何でしょうか?
それは、自分自身の健康な若い肌を取り戻すことです。
肌には個人差があります。
勿論子供の頃から色が白い人、浅黒い人、皮膚が薄い人、やや厚めの人、少しニキビができやすい人など様々です。
それに対して、どんな治療をしても全く同じにはできません。
黒人が東洋人に、東洋人が白人の皮膚になれないように残念ながらというか、当たり前に生まれつきの皮膚質を変えることはできません。
しかし皮膚トラブルや老化、何らかのダメージなどで後天的に起きたものは改善できるのです。
目指すのは化粧などで隠す必要のない健康で張りと透明感のある肌であり、それが医学的な美肌だと考えます。
例えばレーザー治療について言えば、レーザーは魔法のようにシミを消して、皺を伸ばしてくれる機械ではありません。
レーザーは何十種類もありますが、シミに反応するものはメラニンに反応する波長を持ったタイプのものだけです。
また、簡単にシミといっても人によって、また体の場所によって、全て状態も異なります。
全てのシミを簡単に消せるレーザーはありません。
間違った治療をすれば、効果がないどころか、むしろ悪くたり、火傷を起こしてしまうこともあります。
様々な美肌治療、化粧品、スキンケアー法が溢れる中、ぜひ自分の肌が良くなるという原点に帰って、今の肌治療の意味をいっしょに考えてみましょう。
美肌になるとは全く他人の肌にすることではなく、自分自身の健康な若い肌を取り戻すことだと考えます。
肌をきれいに見せること、肌をきれいにすること、美肌といっても2通りがあると考えます。
化粧品の役割は肌をきれいに見せる美肌で、医療で目指すものは自分の肌を健康にすることで若々しく蘇らせることです。
機能性化粧品、ドクターズコスメといった実際に美白、シワ、毛穴などに効果があると謳った製品も数多くありますが、現実は大量に販売する化粧品であることに変わらず、誰に対しても刺激性や赤み、アレルギーなど、皮膚反応を起こしては販売できないという化粧品の性質上、効果を期待するには無理があるでしょう。
何故ならば、効果=組織反応であり、その場合、副作用もかならず、起こり得るからです。わかりやすく言えば、実際に効果のある薬には、必ず何かしらの副作用が存在します。しかし、薬ならば病気の治療という明確な目的の為に医師や薬剤師が個人個人の状態に合わせて処方しますが、化粧品は誰でもいつでも使用できるものでなければならず副作用がでる可能性は許されません。 シミが薄くなる皺が取れる、色が白くなるなどは皮膚にとって非常に大きな変化が必要であり、ある意味大きな組織反応が必要なことです。
すると化粧品もオーダーメイドでなくてはならなく、ましてや肌の治療はその方に合ったものでなくてはいけません。
そして美肌になるとは全く他人の肌にすることではなく、自分自身の健康な若い肌を取り戻すことだと考えます。
それが実は簡単なものではない反面、正しい医療的治療をすれば可能であり、且つ非常に大切なことなのです。
美白という言葉も東洋人の肌を白人のようにすることではなく、自分が本来持っている肌の健康な明るさを取り戻すことです。
表皮のターンオーバーが促進され細胞再生が順調に行われば、溜まったメラニンや老廃物も排出され、明るさ、透明感が出るのです。
毛穴や小じわも肌の再生力が高まり真皮のコラーゲン層が再構築されていくと自然に目立たなくなっていきます。
肌は自ら美肌になる能力を持っています。
その能力を引き出し助けてあげる治療が、私の目指す美容皮膚治療です。
ヨーロッパを中心に全体的には、非手術的な治療への比重が高まってきている現状について。
顔を中心としたエイジングケアの潮流をみると、ヨーロッパを中心に全体的には、非侵襲的つまり非手術的な治療への比重が高まってきているのは間違いありません。
そこには当然、外科的治療に対する抵抗感や不安、そしてダウンタイム(治療後回服までの経過時間)の必要性などを考えた場合、できるだけ負担がない中で効果を求める患者さん側の気持ちが反映されている為です。
そしてそのような要望に応えられる、レーザーや高周波、超音波などの皮膚治療器や様々な注射による治療の技術的発達が進んできたことが、非手術的治療法が増加してきている現実を支えているともいえます。
しかし美容医療を続けてきた一人の形成外科医として、手術的治療と非手術的著量の二者選択ではなく、より患者さんの状態や、希望、条件に合った治療は何であるかという視点で考えなければいけないと考えます。
なぜなら、何にでも効果がある最新のレーザーや美容医療機器などというものが存在しないのと同じように、どんなケースでも手術が一番良いということではないからです。
勿論、二重にしたり鼻の形や顔の骨格を大きく変えたいという場合、手術的治療は必要です。
また 目の周りや頬の部分の皮膚のタルミが強い場合は、手術的な治療が一回の治療効果の面では優れている場合もあるかも知れません。
しかし、その場合も手術に伴う影響や経過など正確な説明がなされ、患者さんが十分に理解して納得できたという前提があってこそです。プラス面だけの説明は、単に宣伝であって治療の説明とは言えません。
シミ、くすみ、毛穴、張りなど皮膚の総合的な治療は、当然一回の治療ですぐに効果が完成するものではありません。
それらに関しては、手術よりも非侵襲的な治療が中心になるのは理解しやすいと思います。
そして、その積み重ねが結局は大きな効果や変化を、長く維持させることができる面では手術と同様に美容外科でも重要な治療になってきている理由です。
レーザー、高周波、超音波の治療と合わせて、部分的な注射(ボトックス、ヒアルロン酸)を併用することで、一般的に考えている効果よりもはるかに高い満足度を感じてもらうケースは数多く経験しています。
また、ヒアルロン酸などの肌に本来含まれている成分を用いた治療は、決して一時的な効果ではなく、数回繰り返すことで時には手術に匹敵する場合もあることは意外と知られていないかも知れません。
全身のダイエットとは別に、部分痩せの効果としてはやはり脂肪吸引手術に勝るものはありません。しかし、部分的に脂肪を凍らせて実際に脂肪減少させる機会が正式に承認されました。(coolsculpting クール・スカルプティング)少しずつでも確実に痩せたい部位を治療したい方には良い選択肢といえます。
どの方法にしても経験のある形成外科医であるからこそ、手術をおこなえる解剖的知識と、技術や経験があることで、非手術的な治療もより安全に効果的に行えるものであると自負しています。
レーザー、高周波、超音波の治療と合わせて、部分的な注射(ボトックス、ヒアルロン酸)を併用することで、一般的に考えている効果よりもはるかに高い満足度を感じてもらうケースは数多く経験しています。
また、ヒアルロン酸などの肌に本来含まれている成分を用いた治療は、決して一時的な効果ではなく、数回繰り返すことで時には手術に匹敵する場合もあることは意外と知られていないかも知れません。
注射の怖さ、痛みを限りなくゼロに近づけたい、それは当クリニックの大きな目標の一つです。
手術でしかできなかった様々な美容治療が、新しい注射治療の登場で可能になってきました。
額、眉間、目じり、口元などのシワは勿論、少し鼻を高くしたりあごのラインを出したりすることも、さらにはエラを細くする、こめかみや頬をふっくらさせることも安全な注射技術を用いて数分でできるのです。
しかし、それでも注射は怖い、痛いというイメージはまだ多くの方がもたれているのではないでしょうか?
当然です。病気で仕方なくする検査や治療の為でも注射といわれれば嫌なものですから…
注射の怖さ、痛みを限りなくゼロに近づけたい、それは当クリニックの大きな目標の一つです。
事前に麻酔クリームを塗り準備をします。
そしてその上麻酔の注射をします。
このとき使用する針が世界で最も細いという34G(ゲージ)というものを使用しています。
髪の毛ぐらいの細さと想像していただければ良いでしょう。
細い針の方が、痛みが少ないのは当然です。
これには、医学的な理由があります。
人間の皮膚には、痛点と言われる、痛み刺激を感じる小さな点がたくさんあります。
逆に言えば、痛点痛点の間の部分は、さほど痛みを感じません。
針が細ければ細いほど、痛点を避けて注射ができる確率が高いのです。
蚊に刺されてもほとんど気づかないのも、それほど細い針で刺すからです。
勿論、針が細すぎると、皮膚を通過する強度が足りなくなるだけではなく、何かを針の穴から注入することができない為、細い針の開発には、非常な困難さがあるようです。
痛みだけでなく、針跡、腫れなども明らかに違います。
それだけに針一本が通常の針の何十倍の値段がします。
コスト面で考えれば必要ないと考える医師も多いですが、小さなことからでも当院のこだわりの一つです。
勿論針の細さの問題だけではなく、技術的な問題や正確さなども重要なことは、言うまでもありません。
手術だけではなく、注射一つでも、そこには 経験とコツが必要なのです。
そして何より、少しでも患者さんが安心して治療を受けてもらえるように努める意識が、信頼関係をつくり、それが結果にも繋がるものと信じています。
両国の形成外科・美容外科事情を専門医、また患者さんと関わる立場から、韓日の美容外科の微妙な違いを意識することがあります。
韓国は、ドラマ、映画、音楽、アニメーションなどの芸能ソフト、コンテンツを90年代初めより、ソフトパワーとしての産業戦略の柱と位置付け、政府の支援のもと、積極的に世界に普及すべく、推進してきました。
その成果として、「韓流」は、日本のみならず中国、東南アジア、中東にまで、一つの芸能ジャンルとして定着しつつあるようです。
一方、形成外科、美容外科の分野は、国内の美に関する肯定的な価値観のもと、高い需要に後押しされ、医師の中でも専門科目中、高い人気を持つようになり、よって優秀な人材が集まる条件となりました。
そしてこの2つが、政府の観光事業計画として融合することで「韓流美容整形」という形で、韓国医療観光の一分野を担っています。
私は、両国の形成外科・美容外科事情を専門医、また患者さんと関わる立場から、韓日の美容外科の微妙な違いを意識することがあります。
韓国の世界的企業サムスン電子の目覚ましい躍進は、しばしば日本の産業界でも話題になります。
営業利益や純利益だけ比較すると、ここ数年では、ソニー、日立、三菱、パナソニック、シャープ、東芝の日系大手電機会社6社の合計でも、サムスン電子1社に及びません。
勿論この成功は、多くの要因、努力があるでしょうし、急成長した故の課題も抱えていることと思います。
最近日本の経済紙などで、サムスンやLGなどの韓国を代表する企業戦略の秘訣として「選択と集中投資」という表現がよく挙げられます。
つまり、利益や効率を考えて、将来成長すると考えた分野に対して選択し、そこに集中投資を行うというものです。
実はこの点では、韓国の形成外科、美容外科の分野でも感じることがあるのです。
韓国の美容外科・形成外科は、非常に細分化されています。
例えば、二重専門、鼻形成専門、顎の形成専門、脂肪吸引専門というように、一人の医師が一分野に特化して治療を行うことです。
技術の習得時間、施設や機器の投資、を考えると確かに効率的であると言えます。
患者さんもどの病院に行くべきか迷わずに済むうえ、医師も多くの症例を経験することで一分野においては技術の熟練も早いでしょう。
一方、1か所にこだわると、とにかく何かしら手を加えるというように、治療の必要性が甘くなったり、過剰な手技になりかねないという部分もあるように感じます。
どちらのスタイルが優れているというより、結局は、医師一人一人が、常に患者さんの立場から、医療として最善の選択を心掛けるという原則を忘れてはいけないでしょう。
アジアにおける美容外科、美容医療からの視点。
韓国が「美容整形大国」といわれ始めたのも十数年ほど前に所謂「冬ソナ」などのドラマ放送がきっかけで起きた「韓流ブーム」到来の時期と重なるのではないかと思います。
どちらかというと美容整形に対するイメージとして、美容外科治療を受ける人や治療行為自体に関してやや否定的なものがあるのは、事実です。
そしてこの「美容整形大国」という表現も、揶揄する意味合いが強かったでしょう。
しかし、韓国ではその後も、国民の関心の高さと国内需要を基盤に、形成外科(韓国では成形外科)専門医を中心として、美容医療は発展を続け、今ではアジアではその症例数と技術面でも、「美容先進国」として成長しています。
アジアにおける美容外科の歴史は1940年代から日本を中心に始まりました。
1966年に最初に開業医を中心とした日本美容整形外科学会は発足し、その後十年以上遅れて形成外科医を中心とした日本整容形成外科研究会が設立されました。
しかし、その後も日本の形成外科医は、美容外科に積極的に取り組むことはなく、むしろ一般の人以上に否定的な捉え方をしてきた面があります。
私が東大の形成外科に入局した25,6年前でも、美容に関心を持つことは御法度のような雰囲気があり、いずれは美容外科を専攻したいと考えていた私でも、表向きは他の医局員の前では公言できない状況でした。
その後、徐々に形成外科医の中でも美容外科に対する意識が高まり、東大をはじめとして今では、多くの病院で形成外科と美容外科を併記して標榜しているところが多くなりました。
一方韓国では、形成外科を専攻する医師の大部分が、初めから美容医療の道を志します。
勿論、専門医を取るまでは、総合病院や、大学病院で外傷や再建術などの形成外科を修練しますが、その後は真っ先に美容の研修を目指すわけです。
その点、日本では形成外科医の専門医を取得しても、美容外科を己の専攻として選択する医師は、多いとは言えません。
正確な統計があるわけではありませんが、日本で美容外科クリニックや美容外科医と言っても、形成外科医の比率はまだ少数派でしょう。
韓国の形成外科医の大多数が美容外科医となることから比べると、その差は大きいかも知れません。
韓国が美容外科分野で発展してきた背景は、形成外科医の意識も関係していますが、やはりその根底には、国民の美容に対する関心の高さがあることは言うまでもありません。
その為、形成外科医だけではなく、その需要に対応しようと、皮膚科医、眼科医、内科医、外科医,婦人科医またはそれ以外の分野の医師まで、美容医療に参入し、その中で過当競争が生まれ、形成外科医に関しても飽和状態に近づいているという現状もあるようです。
患者にとっては、リーズナブルで質の高い医療を受けられる可能性がある反面、過剰な競争からくる患者の奪い合い、しいては不必要な治療行為や、安易なカウンセリングによって効果への不満などのトラブルも増えてる現実もあります。
国民意識と美容整形、美容治療。
「韓国の美容整形事情①」韓国での美容外科、美容医療の発展の根底に、美に対する韓国人の関心の高さがあると述べましたが、これは、美容整形大国、美容整形先進国などと言われるずっと以前からの価値観ではないかと考えます。
韓国では容姿、外見に対する評価は、幼少しいては生まれた時から周囲から指摘されます。
男女限らず、この子は美男だ、美女だ、或いはその逆も歯に衣を着せず、周りからはっきり言われます。
それは子供のころから成長し大人になるまで続き、褒められるにしろそうでないにしろ当然強く意識するようになるでしょう。
人間は、やがて様々な環境、仕事の中で、自分の個性や能力を生かして生きて生きようになりますから、外見だけにこだわり続けることはありません。
しかし、潜在意識の中に容貌に関する価値観は持ち続けます。
特に女性の場合、韓国のように外見が価値評価の中で占める割合が高いと考えられている社会では、美を追求することが自己価値あげると考えるのも当然かもしれません。
最新の美容法や化粧品が広がる以前から、民間療法的な様々な美容法や美肌法が多くあるのも、韓国女性が昔から、美容に高い関心を持ちかつ実践してきた証拠でしょう。
このような美容に対する関心と需要に後押しされるように、形成外科は、瞬く間に人気の科目となり、それを目指す研修医も増えました。
現在、韓国全体では美容外科、美容皮膚科のクリニック、医院が4,000ほどあり、その40%がソウルに存在します。
ソウル市の高級住宅街がある江南(カンナム)地区には、所謂「美容整形通り」と言われる場所があり、そこだけで800のクリニックが密集しています。
いくら需要があるとはいえ、さすがに国内では飽和状態になってきているのも事実です。
このような状況の中で、クリニックのスタイルや治療の方法も、日本とは異なる部分も多くあります。
韓国美容外科の特徴。
韓国の美容外科(成形外科)クリニックの特徴の一つは、非常に細分化されているという面でしょうか。
例えば二重の手術専門、鼻の手術専門、豊胸術や脂肪吸引専門、顔の輪郭形成専門というように、各専門医が一つの分野に特化して治療を行うスタイルが一般的です。
そして、各々専門を持った医師が数人集まって、協力しながらクリニックを運営するところが増えて来ています。
これは、やはり韓国内での美容外科同士での熾烈な競争の為、コスト面でも、技術習得の効率面でも必然的なものなのかも知れません。
日本の形成外科医は、美容を専攻する医師は少数で、大部分が保険診療を行う総合病院で長く勤務するケースが多いのに反して、韓国の場合、初めから美容を目指すため、専門医を取得すれば保険診療の分野の臨床はほどほどで、早く美容的な技術を習得して、開業を目指します。
その為には、多くの種類の手術を経験するのは時間がかかりすぎるし、上達もできにくいと考えるでしょう。
一つの分野に特化して行う診療スタイルには、やはり集中的な治療に専念できるため、多くの症例をこなすことで安定した技術を早く習得でき、コスト面でも効率用抑えられるという利点があります。
反面、「美しさ」とはパーツパーツで決まるより、全体的なバランスにおう面が大きい為、手術の範囲、方法や必要性を考慮する点で、一方的、機械的になり易い面があると考えます。
実際、韓国で手術をされてきた患者さんの中には、一部分だけ際立って見えるような整形をうけた人をたまに見ます。また、個性よりもやや画一的な美意識を押し付ける感覚で、似たような目鼻立ち、輪郭を理想としてしまう傾向もあるような気がします。
手術数が多い分、技術の高さは感じますが、個人的には上記のような違和感を感じたり、過剰治療に思えるケースもあります。
「日本と韓国の美容外科は、どちらが良いか?」と言った質問自体は全く意味がありません。 結局は 各医師の経験や技術、そして美容医療に取り組む姿勢によって、同じ治療でも、効果や結果は異なるからです。
美容外科も、内科や外科などと基本的には変わらない医療行為です。
ただ、美容医療の場合、時に雑誌やインターネット、テレビなどによりやや過剰な広告が行われることで有名となるクリニックがあり得ます。
最終的には、クリニックに対する判断は、実際にカウンセリングや治療を受けた患者さんが評価するしかないでしょう。但し、そのためには医療人としてはできるだけ客観的な情報を患者さんに伝え、説明する義務があると思います。
韓国での美容整形、美容治療を考えている方。
「医療観光」、「医療ツーリズム」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 今世界各国で、医療サービスをその国の産業の一つと捉え、シンガポール、マレーシア、インド、韓国などでは、外国人を誘致するために様々な医療分野で、積極的に活動を行っています。 そして、日本でもやや遅れて、一昨年より観光庁を中心に医療観光推進プロジェクトを立ち上げその準備を進めています。 当院も美容医療のパートで、その実証事業に参加し、昨年から今年にかけ中国、台湾へと日本の美容医療のプレゼンテーッション講演を行ってきました。 韓国は、数年前よりこの事業を推進しており、特に美容整形はその柱として、多くの患者さんをすでに迎えています。 日本としては、よきライバルであり、将来アジアの美容医療を発展させていくパートナーとも言えるでしょう。 受け入れる側として、様々なシミュレーションをしてみると、日本人が韓国に美容整形、美容医療ツアーをした場合の注意点、問題点も気づくところがあります。
これから医療観光を考えている方は、以上の点などを参考にして良い治療を受けていただきたいと思います。また、日本のクリニックで美容治療を受ける場合も基本的には同じであるため参考にしてください。
どの国であったとしても外国で医療的な治療を受けることには、注意と自覚が必要。
最近マスコミで日本の観光客が、韓国にレーザー治療やピーリング、さらにボトックス、ヒアルロン酸、コラーゲンなどのシワ取り目的の注射、埋没による二重手術などプチ整形といわれる治療を行って来る俗に言う【整形ツアー】が取り上げられることが多いようです。
私が日韓美容外科、美容医療に詳しい医師であると思われているようで、時々雑誌やTVの取材依頼を受けることがあります。
しかし、そんな取材の意図が大抵「韓流ブームで興味を持った女性が、整形大国 韓国に押し寄せて、美容整形までやっている。そして失敗した人までいる。」と言った多少、否定的というか揶揄したところがあるようです。
勿論ある特定の施設、病院で、不適切な治療をした結果、治療の副作用を起こしたといったケースも実際にあるでしょう。
そのような意味では、病院、医師の選択が重要であることは間違いありません。
整形ツアーといった企画が、旅行会社の情報で選択するしかない部分はあります。
しかし美容外科、美容皮膚科の選択は、日本国内であっても簡単ではなく、国内でもトラブルが少なくないことから、慎重に考えるべきです。
韓国の形成外科医、美容外科医の臨床レベルでの技術力は決して日本に劣るものではなく、むしろ手術内容によっては優れている分野もあると思います。
しかし、それは専門医の平均的なレベルを言うもので、日本でも韓国でも正直利益優先で、医師としての技量はどうかという病院はあります。
費用が安く 良い治療を受けられれば、美容整形ツアーも意味があるものでしょう。
そのような意味では、韓国政府も制度的にバックアップしているようです。
ただ韓国でどうというより、どの国であったとしても外国で医療的な治療を受けることには、注意と自覚が必要です。
一つは医師との正確なコミュニケーションが取れるかどうかです。
通訳を通した会話では、やはり細かいレベルでのカウンセリングには限界があることです。
二つ目は、どんな簡単と考えられる治療でも、十分な経過観察、診察、その後のチェック、ケアーがあってこそ良い効果を期待できるということです。
皮膚のレーザーやピーリングを受けたとしても、その後の変化に合わせて、正しいケアーをしてこそ改善するものです。
ちょっとした変化でも、対応を間違うと効果どころか悪くしてしまうこともありうるからです。
治療後、日本でのアフターケアーに関して、どうなっているのか必ず確認すべきですし、ある意味、限界もあることは自覚すべきです。
世論の変化に連れて、一時はブームとまで言われた"韓流"に変わり反韓、嫌韓という言葉が目につくようになった最近、その本質は何だったのか考えるようになりました。
ここ1年余り日韓関係であまり良いニュースは聞かれなくなりました。
きっかけは政治家のパフォーマンス的な行動、不用意な言動でありましたが、やがてネット上の中傷合戦になり、それを世の注目を集める好機と捉えた一部マスコミの扇動記事も相まって、すっかり両国の対立イメージが形成されていきました。
私のように日本、韓国両方の人、文化、歴史に関してある程度理解し、多くの友人、知人を持つ立場からは、何とももどかしくもあり、ごく普通の感覚や意識と隔離が少し不思議に感じるところです。
ただ、世論の変化に連れて、一時はブームとまで言われた"韓流"に変わり反韓、嫌韓という言葉が目につくようになった最近、その本質は何だったのか考えるようになりました。
半島という地理的な特徴からも、東洋のイタリアとも譬えられる韓国ですが、情熱的で、歌、踊り、サッカー(と女性?)好きというのは今に始まったことではありません。
元来、半島の民族は体格的には恵まれていましたが、戦後の貧困時代 栄養不足が祟り平均身長も日本より数センチ低かったものが、90年代には逆転し今では平均身長では3センチ以上高くなりました。
この性質と自己主張のストレートさが時に誤解を招くことはありますが、映画や、舞台、音楽の世界では水を得た魚のように生き生きと活躍し、それが所謂"韓流"というジャンルを作ったといっても過言ではありません。
確かに国策としての支援があったのも事実ですが、音楽が流れると田舎の爺さん婆さんまで唄い踊る国民性があってのものでしょう。
確かに、ドラマはドラマであり、映画やミュージカルもつくられたものです。
観衆を喜ばし感動を与え、満足させるために時には美化し、誇張はされます。
しかし、全く存在しないもの、全く内面にも無い物を表現することはできません。
そこには、その文化が持つ価値観や美意識、理想が含まれています。
学会で昨年韓国を訪問したとき、教授をしている医学部の先輩に最近の日本に対する印象を尋ねると、反日でも嫌日でもなく、あえて言えば恐日でした。
つまり決して騒ぐこともなく静かに団結して突き進んでいく日本という集団に対する不安です。
政治、外交上の駆け引きは別として、実は一般的な韓国の知識人が感じるところかも知れません…
今の日本人からは不思議に想うことも、過去とはいえ、日本の敗戦まで35年間植民地であった国の立場になってみると仕方ないでしょう。
美しさ=細さ、まさにスリムビューティという価値観について。
クリニックにみえる患者さんによく聞かれるのが、何故韓国の女性は皆肌が綺麗なのか?韓流スターたちはどうしてあんなにスタイルが良いのか?という質問です。
確かに日本でも東北地方の女性はもち肌、雪肌といわれるように、食べ物や気候などの環境条件に加えて、生まれ持っての肌質、体質はあるのかも知れません。
ただ、背の高さ、足の長さなどは別として、体のスリムさならば、逆に韓国女性からよく日本の女性は何であんなに細いのか?と聞かれます。
私も、日韓の女性の体格を一般化して比較イメージすると、韓国女性は上背があり、足も長いですが、上半身、腰はがっしりとしているのに対して、日本の女性は小柄で細く華奢な印象を持っています。
実際 脂肪吸引の希望部位は日本人に比べ韓国女性に二の腕や背中の希望が多いのも特徴です。
先進国を中心にいつの頃からか、美しさ=細さ、まさにスリムビューティという価値観が女性の中には生まれてきました。
そのためか、多くの女性がダイエットに情熱を注ぎ、血の滲むような?減量に励む結果、ドラッグストアーのダイエットコーナーには、様々なサプリメントが所狭しと並び、カロリーや糖分の少ない食品は、無条件ヘルシーと命名され、○○ダイエット法は数限りなく生まれては消えていきます。
このような風潮は世界の女性たち、特に美容大国 韓国の若い女性に影響を与えないはずがありません。
韓国の疾病管理本部の国民健康管理調査によると20代の女性の4人に一人が栄養失調であるとの調査結果を出しました。
様々な社会的ストレス、特に容姿に対する評価からスリムな体型への強迫観念が少なからず影響していると考えられます。
美味しいものが溢れる韓国では、食べたいものを我慢するなんて考えただけでも苦しくなりますね。
「スリムな方が健康で美しい」という考え方は、人類数百万年の歴史の中ではある意味稀有なものかも知れません。
食物を求め、飢餓と闘い生き抜いてきた人間にとって、少しでも食糧にあり付けたら脂肪に蓄え、またいつ食事をできるかわからない状況に備えることが生き残るための必須メカニズムでした。
つまり健康のまま痩せることは生存の仕組みに真っ向から逆らかうことであり、安全なやせ薬を開発できたらノーベル賞は間違いないと言われながらも未だに世界中のどの研究機関も成功できないのは理由があるのです。
今でもふくよかな女性を美しいとする地域や民族はいますし、平安時代の貴族美人はふっくらお多福顔でした。
医学的にも、ほど良い脂肪は過酷な環境を生き抜いてきた人類の証しでありまさに「サバイバルビュ―ティ」です。
タルミの手術を受けられて、その効果に満足できない人は、少なくありません。いったい何故なのでしょうか?
両手で顔の左右を斜めに持ち上げてみると10歳ぐらい若返って見えます。
誰もが望む顔のタルミの手術の理想的な出来上がりは、その状態でしょう。
しかし、現実に手術を受けられて、その効果に満足できない人は、少なくありません。
いったい何故なのでしょうか?
顔のリフトアップ手術は、手で支えて持ち上げるように簡単なものではなく、非常に高度な技術テクニックと経験が必要であるからです。
その上、その方の皮膚の状態、特長によっても効果に差ができるものです。
過去に他院にてフェイスリフト、シワ取り手術に対して相談に来る方の多くが、一つは技術的な未熟さから来る十分な効果を感じないというものと、もう一つはそれ程のタルミでもないにもかかわらず、手術を勧められたことによる治療の選択の結果から来る不満ではないかと感じます。
また、金の糸や、数センチの傷だけで効果があると言った名ばかりのフェイスリフト法など、最初から宣伝文句程ほど効果がし難い方法でおこなわれたものなどに対する不満もあります。
さらに手術による傷あと、痛みなどの相談もあります。詳細なカウンセリングにより、治療の選択が実は最も大切なことなのですが…
例えば、30代の方が、目の下の小じわ、口元のシワが気になるといった場合、手術よりもボトックスやヒアルロン酸などの注射やレーザー、高周波、超音波治療による方法が効果の面でも、本人の負担の面でも優れている場合が多いのです。反面、皮膚の下垂が本当に強く、全体的にたるんで変形している部位に対しては、やはり根本的手術治療が必要になります。
そして、その手術方法も、フェイスリフト、ミニリフト、などの持ち上げる手術から、脂肪注入などむしろ張りを取り戻す手術などその方の状態によってさまざまです。
悩んでいる方、迷っている方、とにかく 相談に来て診察を受け、納得するまで質問をしてください。
それが、治療の始まりであると同時に、最も大切な時間となるでしょう。
脂肪細胞を凍らせて減らす…クール・スカルプティングについて。
"美しさ"という概念の中で、シェイプアップ、スリムというキーワードは、女性を中心に先進国では近年当たり前の条件の一つに挙げられるようになりました。
しかし、実際には美しさは時代や地域、流行、そして一人一人の好みなど主観的な部分も大きいものです。
ですから、美容医療に携わる一人として時代のニーズに合わせながらも客観的な立場で治療の必要性、安全性を判断していく必要があります。
具体的に痩せる方法と言っても目的によって様々な選択があります。
体重を減らし体全体を健康にすっきりさせるということならば時間をかけて食事・運動をとり混ぜて一定期間続けていく以外は医学的には早道はありません。
残念ながら内服・ダイエットサプリ・他人任せのエステ的マッサージでは効果はほとんど感じられないでしょう。
(逆に飲むだけで痩せたなどの効果があれば危険性や副作用を疑うべきです!)
一方下腹部や上腹部・腰回り・お尻・大腿部などの中々減りにくいところの部分痩せの方法は全身的なダイエットだけでは難しいところです。
医学的な治療として効果の面だけ考えれば脂肪吸引術という手術が確実であるのは間違いありません。
しかし手術に対する不安、抵抗感、また時間的にも二の足を踏む人が多いのもまた当然かもしれません。
当院では手術以外で本当に効果のある治療法に関して数年前より注意深く情報を集めてきました。
効果をうたう以上実際に一時的なリンパ水分移動などのマッサージや温めによる変化でなく脂肪細胞の破壊、変質、吸収を伴うものでなくては意味がなく、かつ侵襲が少ないことが条件です。
クール・スカルプティングは、脂肪細胞が皮膚・神経・筋肉など他の組織よりも融点が高いという特徴を利用して、皮膚の表面から冷やすことで皮膚や筋肉など他の組織は変化を与えず脂肪細胞を自然に細胞死(アポトーシス)へと誘導します。
その後死んだ脂肪細胞は時間をかけて(2か月~3か月)体外へ排出され脂肪層が減少します。
施術は一か所(手のひら二枚分弱)に一時間、痛みはありません。
一回の施術で効果は実感できますが広範囲を希望する場合は部位ごとに治療が必要です。
当院ではクール・スカルプティング治療とともに高密度焦点式超音波(HIFUテクノロジー)を採用した治療機器ライポソニックスも併用し様々な部位へ対応できる非手術的脂肪細胞減少治療を行っています。
そしてこの安全性と脂肪減少効果が厚生省に認められ、2017年、冷却により皮下脂肪を減少させる機器として承認されました。
ダイエット特にボディ―ラインの形成は美容医療の大きなテーマであり現時点でできる治療の選択はかなり多様になってきたのは事実です。